1976年10月25日発行 キャンディーズ ファンクラブ会報 No.8

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今、二つの大きな課題を終えて…

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 今年、多くの課題の中でも重要な位置を占める初のミュージカル「スタンバイOK」、初の全国縦断「サマージャック76」と、初めてずくめの長期間にわたる活動を終えて、今キャンディーズは−。


 3月29日、東京・日劇を皮切りにスタートしたキャンディーズにとって初のミュージカル「スタンバイOK」も10月31日の銚子での公演を最後に、全国60数ヶ所におよぶ長い旅の幕を閉じる。
 『春一番』のタイトル・テーマ曲をバックに、「ゲラ」「プック」「ポッチ」を好演したキャンディーズの三人。スタート当初は、初のミュージカル体験ということもあって「学芸会だ!」という客席からの評も決して少なくなかった。しかし、一方では、舞台上で一生懸命に歌い、演じる三人に、常に新しい目標にトライする健気な姿を見たファンも圧倒的に多い筈だ。
 「お芝居って本当にむずかしいですね。歌っている時には感じなかったのに、舞台って大きいんだなあ〜」とスタート当時の三人の感想は、この言葉からも想像できるほど、不安でイッパイだったようだ。劇団「四季」をはじめ、共演者がすべて芝居の経験者の中でキャンディーズの三人は、芝居の世界を体験したのだから−。
 今、終盤を迎えた「スタンバイOK」は、長い公演期間、数々の失敗を踏んで、一つの”完成したミュージカル”となった。
 「公演先の各地の人々に気に入ってもらえたことが何よりですね初めて体験する芝居とあって、三人のチームワークを確立するのにはいい機会でしたね。三人助け合ってよくやってましたよ。このミュージカルが来年への布石を植えつけたんじゃないですかね」とは渡辺プロの池田マネージャーの言葉だった。
 一つの課題に答えるだけでもなかなか大変なこの世界で、充分に成長したことを感じさせるキャンディーズは勉強家なのダ!!

全国縦断コンサートお疲れさま!!

 そして、これもキャンディーズにとって初めての全国縦断コンサート「サマージャック76」
 7月18日の北海道は札幌・中島野外音楽堂でのオープニング「キャンディーズ・カーニバル・イン・サッポロ」は、まだ記憶に新しい。とにかく、30数ヶ所を3つのパターンで消化したキャンディーズの精神力、体力は、気力で保たれていたのではないかと思われる程だった。屋内では「スタンバイOK」を、野外ではMMPをバックに「野外ロックコンサート」、遊園地などでは、子供向けのファミリーなショーと、その地の会場によってパターンを変えていくわけだから、これはタイヘンなことだった。
 それでも各地の公演先で大盛況を博したあたりはサスガ!キャンディーズ。正に今年の夏は、全国各地にキャンディーズ旋風をまき起こした「サマージャック76」だった。今、キャンディーズの三人は、長くも早く過ぎていった今までのでき事を想い出しているかのように静かな毎日を送っている。
 今年、最大のイベントといえる蔵前での「カーニバル」を終えた今、三人を支えてきた気力がフッと遠のいた。春休みも夏休みもなく、課題に答えるべく動きまわったキャンディーズの三人に、暖かい拍手を贈らずにはいられないお疲れさま!キャンディーズ。


キャンディーズ号蔵前に再び上陸!!

キャンディーズカーニバル ドキュメント
VIVA! カーニバル

10月11日、相撲でお馴染みの東京・蔵前国技館で幕を開けた「第2回キャンディーズ・カーニバル」の熱狂を側面から追うと−。

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 テンツクテンテン…。触れ太鼓にはまだ間がある10月11日の早朝、相撲のメッカ?、東京・蔵前国技館の周辺は、嵐の前のように静かな振り替え休日を迎えたが − 一方、国技館の内部では、静かにそして確実に昂揚したムードが早くも漂い始めていた。
 午前6時、すでに何人かの人影が館内を忙しげに動きまわっている。
 午前6時半を過ぎた頃、三人の女の子が国技館の中に消えた…。ラン、スー、ミキの三人の女の子”キャンディーズ”。ランとミキはホテルから、スーは千住の自宅から − 昭和50年10月19日の「キャンディーズ、10000人カーニバル」からほぼ一年。「第2回キャンディーズ・カーニバル」が、長い準備期間を経て、今、三人が会場に到着した時点から幕を開いた−。


●去年の「10000人カーニバル」にも来ました。あの時、何故か涙が止まらなかったなあ。あの日から今日のこの日を待っていたような気がします。
(朝7時頃から開場を待っていた、大田クン)

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 リハーサル − 本来の土俵の位置に真白な特設ステージが、東西南北全開の形で開演を待っている

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 バックを勤めるMMPがステージ向かって東側にスタンバイ、三人が普段着でステージに登場、綿密な進行表に沿って音合わせ、歌の仕上げと本番さながらだ。
 リハーサルの進行に連れて会場前に並んだキミたちのボルテージもだいぶ上がってきた。
 11時、オープニングのステージ衣裳、カンフー、スタイルで最終的なリハーサル。ステージの袖では、新聞、雑誌社のカメラが、一斉にシャッターの音を鳴らし始めた。この頃から、6台の16m/mカメラが”スタンバイOK”。今回のカーニバルを集録するための「渡辺企画」のスタッフ陣が…。

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 12時を過ぎた頃には国技館のまわりを取り巻く長蛇の列ができた。

●カーニバルって、広い意味でお祭りということでしょ(?)。だからぼくは、楽しいものであればいいんだ。それと三人を見られれば(横浜の塩谷クン)

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 2時開場、一一三○○人の人間がアッという間に館内を埋めつくした。差詰め大相撲なら”満員御礼”となる所だが、相撲と違って客席には早くも”青春”の熱気がたちこめはじめた。

●去年のあのコたちのコンサートの時も店を出したんだけど、今年は去年より入っているね。これは売れるかな…。(売店のおじさん)

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 3時20分、MMPがチューニングからテーマ曲『スーパーキャンディーズ』の演奏、大太鼓が館内に響きわたる − 「去年のこと、キャンディーズ号という小さな船が新しい冒険の旅に出ました… そして、10月11日、今キャンディーズ号はあの懐かしい蔵前の港へ帰ってきました」というナレーションが暗い館内に流れた。
 向正面左隅の花道から『プラウド・メアリー』を歌いながら、ランが登場、スー、ミキもスモークに押し出されるように舞台に飛び出して来た。さあ!カーニバルの本番だ。3時間、40曲余りを歌いまくり、アンコールまで、熱狂と絶叫で会場の蔵前国技館は揺れ動いたのである。

●去年のステージは普通だったから、三人が常に前を、ぼくたちと向かい合っていたのに、今回のステージは、新しい試みでいいんだけど、何か全体が盛り上がらないんですね。というのは、ぼくは向正面にいたんですが、向正面に向くとウワーッということはあっても三人が正面の方に行ってしまうと何となくね。ステージの真中に回転するような部分を作れば、まだね。
(向正面で声援を送っていた、浦和市の星野クン)

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 また、この日「全国キャンディーズ連盟」の結成式もステージ上で行われ、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌から連盟旗を携えて、代表者がかけつけた。
 紙テープが舞い、キャンディーズの歌声が聴こえない程の熱狂的な歓声であっが −、

じっくり聴いてほしかったソロコーナー

ソロ、コーナーでの客席からのドギツイ言葉やザワメキはいったいなんだったのだろうか − 「何で…何でわたしたちの話を聞いてくれないの!」。涙を流しながら唇をかむ三人の姿が、ステージ裏にはあった。

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 カーニバル終了後…
「一時期というか止めたいと思ったことが何度もあったの…。でも、今カーニバルを終わって歌える間は歌い続けようと三人で誓ったの」と語る三人だった。
 今、キャンディーズ号は、新たな目的への船旅を始めた。

 ステージの袖でこのカーニバルを見たMMPの渡辺茂樹は「3人が一生懸命にやっていたのに何故、お客さんはという気持ちはありますね。ぼくは、彼女たちの一生懸命な姿に、エレクトーンを弾きながら泣けました。いつまでもアイドルであってほしい。それは年頃になった三人に”女であって女になってほしくない”という矛盾した願いだとは思うのだけれど」とカーニバル終了後の打上げパーティーの席で三人に向かって語った。この言葉を聞いて「一生懸命ガンバリます」と応える涙顔三つ。


 祭りの後のさびしさは…という歌ではないが、紙テープが散乱したお客のいない館内にいると、フッとメランコリックというか感傷的な気分にひきこまれていくものだ。
 蔵前署から事故防止のために出勤したおまわりさん、40数人。舞台、音響などなどカーニバルの陰で働いた延べ数百人のスタッフがいた。舞台の袖で会場の案内、整理をするアルバイトが数百人。これら多くの人々に支えられて”第2回キャンディーズカーニバル”は成功した。
 もちろん、ハプニングもいくつかあった。終盤を迎えて、館内の熱気が最高頂に達した時ステージに押しよせたファンによって、一つのスピーカーが壊れた。マス席のワクが壊れた個所も随所に見られた。これもエネルギーの爆発の後だったのか−。

この秋ホットなニュース!!
 テレビ・レギュラーの話から−。
 すでに10月11日から放送が開始されたNET新番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」(月曜・夜8.00)。若大将こと加山雄三とキャンディーズを中心に歌とコントでつづるバラエティーショーだが、もうキミは見ただろうか(?)。それとも録画撮影が行われる砂防会館(東京・千代田区)に出かけたかな。

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 キャンディーズが、チョンマゲをつけて登場する”明治時代のヤクザものコント”では、キャンディーズのコミカルな演技が”意外性”を生んで楽しい。
 また「親子三代記」のコーナーでは、ランがお婆ちゃん、スーが母親、ミキがなんと悪ガキに扮してダメ親父(東八郎)をイビるというズッコケホーム・ドラマ。
 そして「学園メロドラマ」のコーナーでは、キャンディーズがバレーの選手に扮して、鬼部長谷啓にシゴかれながら成長していくすがたを追う。ここでの見所は、学園の人気者千昌夫との、一対三の恋が芽生えるというところ。
 歌とおしゃべりのコーナー”加山さんちの雄三さん”でコント風おしゃべりと歌を楽しませてくれるという多彩な番組。25回の放送が予定されているから、長い応援をヨロシク!!。 そして『ハート泥棒』に続く待望の新曲があるんだ。

 11月21日発売『哀愁のシンフォニー』がそれ。マイナーな中にもリズミカルに聴かせる音のムードの曲ができあがった。B面『別れても愛して』との合わせて、今年の冬にキャンディーズが贈る自信作 因みに、A・B面共に、作・編曲/三木たかし・詞/なかにし礼のコンビ。
 また、12月5日には、あの10000人のお客を熱狂させた10月11日の「キャンディーズ・カーニバル」のライブ盤が発売される。当然、これはLPなのだが、『プラウド・メアリー』から『春一番』までの40数曲を完全再録できなかったことがチョッピリ残念だが、内容は濃いゾ〜。
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入会案内
キャンディーズ・ファンクラブへ入会してキャンディーズを応援しよう!
 入会金 500円 会費3ヶ月 900円
入会すると… 会員証・バッヂ・写真・月刊誌「YOUNG ヤング」を毎月、新聞を年に3回お送り致します。

お送り先:〒151 東京都渋谷区笹塚1-47 京王重機ビル2階
キャンディーズ・ファンクラブ

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FANROOM
◎キャンディーズファンには年も何も関係ないぞ!!
 正直言ってぼくももう20才になるのでファンクラブをやめようなんて思ったんだけど、カーニバルでいっしょに応援した22才の人を見て考え直したんだ!! ぼくよりも年上でもこんなに楽しんで色々なことにガンバッテるんだしキャンディーズを応援するのに年も関係ないんだってね。 これからもどんどん勉強その他にがんばって、もちろんキャンディーズを応援することも前以上にがんばっていくぞ−。
 広島県 もうすぐ20才の男の子

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◎もっと見る方も真剣に…
 キャンディーズカーニバルについて一言、もちろん大成功だったと思うけど、見てる人達の態度は最低だったと思う。コーラスのむずかしいビコーズ、クロスツューユーなどは、もっと聞く方も真剣に聞くべきだったのじゃないかなと思う。なにも乗れるような曲、オリジナルも静かにしようというのじゃない。曲の雰囲気などを、分って応援してほしいと思うのだがどうだろう。
 東京都練馬区 高橋和彦
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値段=手札60円 キャビネ100円 四ツ切りパネル=1200円
尚、写真の申込まれた日から、お手元に届くまで約一ヶ月位かかりますのでご了承下さい。
 写真の申込受付期間は12月10日までです。
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編集後記
 「第2回キャンディーズ・カーニバル」も無事終わりました。熱狂的な声援どうもありがとうございました。ある雑誌では「一万人は興奮、絶叫悶絶!!」という凄まじい見出しで報じられたこのカーニバル。確かに、青春のエネルギーの爆発として興奮したことだろうが、しかし、一方では「静かに聴いてほしかった」「叫ぶのではなく声援をしてほしかった」等々のファンに対する一般のお客さんの意見や、スタッフの言葉を見逃すことはできないのではないだろうか−。カーニバルの打上げの席を「わたしたち、一生懸命みなさんの声援にこたえます」と締め括る三人の言葉に、私たちも応えなくてはと思ったものです。”叫ぶ応援から、静かに聴く応援へ”一歩進んでみようではないですか −。
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●制作発行:キャンディーズFC
 〒151 東京都渋谷区笹塚1-47京王重機ビル
 渡辺プロ友の会 03(460)2811〜4
●発行日:昭和51年10月25日
●編集:中島隆雄 高橋邦夫
●写真:本田昌之 ●デザイン・岩楯年弘
●印刷所:豊玉印刷株式会社


※1976年10月25日発行 キャンディーズ ファンクラブ会報 No.8 より転載


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Last-modified: 2019-12-21 (土) 15:24:52