アセテート盤(Acetate disc)は、アナログ盤の生産の前段階に使用された参照用のオーディオディスクである。


1.説明

スタジオ等で録音された音が最終的にどのようにアナログ盤に移されるかを決定する際に重要な役割を担うレコード盤で、例えば低音の音量や音厚、全体のバランス等を調整して最終的にどのようにアナログ盤に記録されるか確認するのであるが、その調整の都度でマスターディスクを作成する訳にはいかないので、安価で素早く、高音質でカッティングできるアセテート盤を使用する。マスターディスク(金型)を作るひとつ手前の段階の参照用に作成される。
あくまでもテスト用なのでモノラルで収録され、ジャケットは無く、白いレーベルに手書きのタイトルやアーティスト名、レコード番号もないのが普通である。

アセテート盤はプレスより直接カッティングされる場合が多く、簡単に言ってしまうとマイクから拾った音をダイレクトにレコード盤に刻み込むのと同じなので、ある意味において正規に発売されているレコード盤よりも高音質である。ところが、アセテート盤は塩化ビニール製の通常アナログ盤よりも強度が弱く、湿度や経年変化により表面剥離なども起きやすく、致命的なのは数回レコード針をおとすだけで音質が極端に悪くなる性質を持っている。
マスターディスクを作成する前のテスト盤という性質のモノなので、正規盤とはバランスやレベル等の録音テイクが違うのは確実である。しかし運良くアセテート盤を入手できても、視聴する際、その盤に対して自分が何回目に針を落とすのか判らないので、レコードマニアの間では、視聴するほど極端に劣化していくアセテート盤は恐くて試聴できないのでどういうテイクの物が収録されているのか分からないと言われる。

元々アセテートとは材質のことを指し、本当のアセテート盤と言えるものは日本では玉音盤を代表とする戦前から戦時下で使用されていたレコード盤を言う。
現在のアセテート盤はニトロセルロースでコーティングされたアルミニウム盤であり、多くはアセテートを含んでいない。

現在でも、DJやプロデューサー、コレクターのためにダブ・プレートとしてカッティング或いはプレスされている。

ゆうせん盤でもアセテート盤を紹介しているが、あちらは放送局が独自にカッティングしているので種類的に言えば海賊盤であり
厳密に言えば法律に抵触するが、こちらはレコード会社がレコードを作成する際にカッティングするアセテート盤であるため特に問題はない。

レーベルA面B面備考
アセテート盤なみだの季節ハート泥棒.jpg
なみだの季節ハート泥棒このカップリングを見ると、ゆうせん盤(YDSS36,YDSS37)のテスト盤ではないかと推測される。

※その他のキャンディーズのアセテート盤を御存知の方は情報提供をお願い致します。

2.出典、参考文献

・蘇れ!ピクチャーレコード
・Wikipedia


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Last-modified: 2019-12-15 (日) 03:27:15